組織内部の課題に医療・経営的視点から根本的要因を分析 健康経営による組織の基盤強化を図る

第7回  広報人インタビュー
組織の人事労務コンサルティングを踏まえた健康経営を支援 LIBER(リベル)を運営する田中 みあさん

社員の心と体の健康や教育、組織体制を見直すことで売り上げや業績の向上も

荒木:田中さんに、どんなことを相談すればいいでしょうか。また、どんなこと解決してくれるのか、教えてください。

田中:現在、最も力を入れているのは、組織の人事労務(採用含む)を踏まえた健康経営(組織整地、心、体、脳機能、背景と総評したカウンセリング)のサポートです。提供しているサービスへの入り口は企業によって、さまざまです。例えば、営業・売り上げ、休職中の社員の課題やハラスメント問題、メンタルヘルス、ダイバーシティ問題やアンコンシャス・バイアス問題など、何かしらの課題を抱えていて、相談に来られます。その課題を深掘りしていくと、社内ルールやMVV・パーパス(存在意義)、評価制度・人事体制など、人事・労務の要素と関係しています。これまでサポートしてきた経験や知見を例にすると、営業戦略に関わらず、メンタルヘルスや体の健康に関係する要素、組織体制の見直しや教育の仕方を変えることで、売り上げが赤字から黒字に変わったり、業績が上がったりしました。そのことから、社内を健全に導くことの重要性を感じています。

経営者や管理職、社員個人の困り事に規模・ジャンル・フェーズ問わず対応可能

荒木:社内における人の問題で悩んでいる場合は、田中さんに相談したら、いろいろな対応策を提示いただけるということでしょうか。

前述で触れられた内容とつながってくるかと思いますが、具体的なサービス内容について、教えてください。

田中:そのような相談内容は多いですね。他にも、社内に人を増やすに当たっての採用戦略の相談もあります。採用に関しての例として「S極の仕事をしたいのに、N極の人を採用している」ような、採用する人を間違っている場合もあります。そのようなことにならないために、採用前の段階での戦略相談も受けています。さらに、会社にとって不利益が起こる事例もあります。例を挙げると、企業の売上金や顧客を利用した独立や入社後1年以内の退社などです。そのような事態を防ぐため、採用の部分に加えて、独立について「独立支援」の制度を設計する支援も行っています。それらを主軸としたコンサルティング研修・講習会・コーチングやベースの創出(新規事業、クライアントとの共働など)に関しての企画案や戦略・戦略運用の相談、営業戦略、マーケティングの企画案打ち出し・ディレクションなども行っています。経営者の他、管理職や社員個人からの相談にも対応しています。いろいろな規模・ジャンル・フェーズ(創業、安定期、衰退期)に対して対応経験があります。

個人や家族、同業者に向けたセミナーを開催 医学的知見に基づき実践を積んだ作業療法士やセラピストによる支援

荒木:経営全般に関して、社内の困り事や人に対しての悩みなどを解決に導くということですね。

田中:そうですね、BtoBに関しては今までお話した通りです。BtoCに関しては、作業療法士の仕事を民間に置き換えた形態です。脳機能、フィジカル、メンタルなどを総合的に見せてもらってからの提案や、セラピストの役割も担っています。この形態に関しては「学びたい」という需要が多いので、個人や家族、同業者向けのセミナー(医学的知見による)を開催しています。一般的なスクールやアカデミーの中には、資格は持っているけれど臨床経験がなかったり、自身のうつ病の経験により「うつ病の心理カウンセリング」を教えたりといった「机上の空論」である場合も多くあります。私が行うセミナーは「実際に実践を積んで、結果を出してきているセラピストによる支援が可能」という点が大きく異なります。

先駆者の立場で泥臭い多様な経験と苦労を糧に 年齢を問わず幅広い層へ指導できることが強み

荒木:お話を伺う中で、さまざまなことに対応されていますが、田中さんはなぜそれができるのでしょうか。私だからこそ「できます」というところを教えてください。

田中:一番は、このサービスを開始した時期が他の人よりも早かったところだと思います。また、充実したサービス内容を若い年齢で提供できている点も大きいと感じています。そのことで、年齢を問わず幅広い層へ教え、広めることができることは強みだと思っています。スタートが早かった分、先駆者の立場で自ら多様な経験を重ねながらノウハウを培ってきました。日々の密度はとても濃いものでした。これまでの何万件という豊富な経験や知見が、今のサービス内容やセミナーに生かされています。

私の仕事は、一人で仕事をしている部分と、人と向き合ったり協力し合ったりして仕事をしている部分があります。たくさんの人たちと関わることによって得られるものがあり、大きく影響を受けているのだと思います。

荒木:そうですね、人と関わることで経験の密度を濃くし、スキルの向上や吸収に結びついているのでしょうね。

田中:そうですね。「楽して結果を得たい」と考える人も多いと思いますが、私はそれは成し得ないと思っています。私は、泥臭いことや過労で倒れるほどの苦労を経験してきました。それは、「できない」と言い訳したり、逃げたりできる状況ではなかったからです。言い訳せず、やりたくないことからも逃げすにやってきたからこその経験が糧となっています。

荒木:その泥臭さや苦労した経験は大切ですよね。実務経験や実体験がない状態の「机上の空論」だけでは、指導できない部分は多くあると思います。なおかつ、知見で習得したものを知識として整理し、それが自身のスキルとなり、実を結んでいるのですね。

「三方よし」の形や流れを作り、利用者や関わる企業、さらに社会にとって喜ばれる状態を目指す

荒木:田中さんが今後、目指す夢や目標を教えてください。例えば、今の形態とは異なる方向性や事業など、今後の展望でお考えがあればそれも含めて教えてほしいです。

田中:独り勝ちの状態ではなく「三方よし」を目指しています。利用者や関わる企業、事業者も社会にとっても、喜んでもらえる状態ですね。「クライアント要望や社会の需要に応えたい」という思いで、実績を積み上げてきた企業や事業者、専門家と共に協力し合って、顧客や社会に相乗的な効果と成果を生み出していきたいと思っています。新しく何かを生み出すことで起こる化学反応が、変わりゆく社会や時代に貢献し、企業・個人の成長の助けにつながればと考えています。

荒木:いいですね、「三方よし」という考えは昔から日本にあって、そのような原点回帰は大事ですよね。みんな等しく、全ての人にとってプラスになる方法でやりましょう、ということですね。

田中:「三方よし」の考えは当たり前として、近年多く感じられる問題として事業承継者の抱えるさまざまな課題や、大企業・中小企業で異なるそれぞれの課題を解決していくだけでなく、ハラスメントやダイバーシティ、アンコンシャス・バイアスの問題、それらの関連もみられる営業・売り上げにおける問題が根深い問題であり、なくしていく必要のある課題と考えています。そういったことに悩まなくてもいいような組織・個人の状態をつくっていくことも目指しています。

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