Weekly Essay 採用でも鍵を握る「舞台裏」
先週21日(金)の16時、オンライン展示会「未来経営EXPO」に参加しました。同展示会は毎月第3金曜日の14時から17時まで開催されています。オンラインなのでズームで参加でき、事前に申し込みをすれば、出入りは基本自由です。「社長の未来、デザインします 」というスローガンを掲げ、四つの経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」における16人の専門家が出展しています。
実は当社も出展社の1社。当社スタッフ(というか16年におよぶ私の相棒)が担当しており、今年5月開催の展示会からブースを出しています。彼に任せきりでしたが、今回は彼が講師としてメインブースで16時30分から15分間、講演するということもあり、初めて顔を出したというわけです。
ここで彼の講演内容を紹介しようと思っているわけではありません。16時に同展示会に入室し、最初に立ち寄ったブースが採用ブランディングを手掛ける岡本陽子さん(株式会社fanfare代表取締役)のブースでした。
受講していて共感できたことがあります。どういうことか。
岡本さんが語った内容は、会社側も求職者側も「外的キャリア」だけで判断していはいけない、より重要なのは「内的キャリア」だ、というものでした。参加後、「外的キャリア 内的キャリア」と検索してみると、採用の世界では一般的に用いられているようです。外的キャリアは職種、職位、技能、実績、年収など、客観的に把握できる経歴を指すそうです。学生であれば、学歴に当たるものでエントリーシートや履歴書に記載する内容です。内的キャリアは人柄や価値観など内面に関するものです。
岡本さんがさらに一歩踏み込んで強調していたことがあります。求職者側が会社を見る際にも同様のことがいえるというものでした。就活・転職サイトに掲載されている、会社概要、つまり所在地、沿革、代表者プロフィール、事業内容、雇用環境などという「外的部分」だけでなく、会社にどんな人が働いているのか、どんなことに働きがいを感じているのか、どんな社風(組織文化)なのか、といった「内定部分」までしっかりと確認する必要があるというのです。これは非常に共感できました。
なぜなのか。当社でいうところの「表舞台=外的キャリア」、「舞台裏=内的キャリア」だからです。
3年近く前、就活を控えた学生たちに広報のことを教える機会に恵まれました。その際に企業経営の「舞台裏」、ありのままの姿を等身大で伝えることがどれほど重要なのかを力説しました。受講後のアンケートで、一人の学生が自分自身の就活体験と照らし合わせて、納得していました。就活サイトなどに掲載されている「表舞台」だけでなく、インターン体験やさらに深い情報など「舞台裏」まで確認している、というのです。
岡本さんは、就活・転職サイトでの掲載だけで満足せずに、採用ランディングページで働く人の生の声など会社の魅力を積極的に発信する大切さを説いていました。
常々、カタカナ・ビジネス用語を日本語に置き換えることがどれほど重要なのかを、私は強調してきました。岡本さんが使う「採用ブランディング」とは、同展示会サイトの(岡本さん紹介のスペースに)「企業の魅力発信(採用ブランディング)」と記載されていることからも分かるように本質を捉えています。当社は「ブランディングとは自社の魅力(らしさ)を相手の心に焼き印する」ことと定義して、機会があるたびに発信しています。ゆえに岡本さんの話は非常に共感できたし、腹落ちしました。「舞台裏」の情報は採用の現場でも鍵を握るのだ、と感じ入りました。
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