Weekly Essay 「GLOBAL FESTA JAPAN 2023」サブステージに登壇
10月1日(日)、国際交流に関するオンラインイベントにゲストとして登壇する機会を得ました。外務省や国際協力機構(JICA)などが共催する「GLOBAL FESTA JAPAN 2023」という毎年開催されるイベントです。前日の土曜日から2日間にわたり、リアルとオンラインで行われました。
10時30分から11時30分まで開かれた、「世界の子どもたちを元気にしよう」をテーマにしたサブステージAに登壇したのです。NPO法人エンチャイルドのステージで、目的はエンチャイルドの海外教育支援の取り組みを一つの事例として取り上げな がら、これからの教育支援の在り方を考える、というものでした。エンチャイルドとは、主にフィリピンの子どもたちを対象とする教育支援(共育プログラム)と草の根国際交流、社会教育を行っている団体です。当社は、10年以上前から微力ながら応援し続けています。
私以外の登壇者は、日本からはエンチャイルドの外舘孝則理事長、NPO法人ユニカセ・ジャパンの中村八千代理事長。フィリピン側はカラガ・ステート大学のジョニー・ボロンガイタ教授(エンチャイルド・ミンダナオ北東部地域責任者)、エンチャイルド・フィリピンのスタッフなど2人、大学在学中のエンチャイルド奨学生5人でした。
今回は会社の代表というより、リスクマネジメント専門人材育成のNPO法人(略称RMCA)理事長の立場で登壇。中村理事長の後に次のメッセージを伝えました。
「おはようございます。日本リスクマネジャー&コンサルタント協会の荒木洋二です。私がエンチャイルドに出合ってから、10年以上の月日が経過しました。外舘理事長の海外教育支援にかける思いやビジョンを聞き、感銘を覚え支援を始めた頃のことをよく覚えています。
エンチャイルドの特筆すべき点として、二つ挙げたいと思います。
一つは、一方通行ではない、顔が見えない不特定多数への支援ではない、ということです。エンチャイルドの教育支援では、(コロナ禍ではオンラインでしたが)スタディツアーを積極的に実施したり、フィリピンの子どもたちを日本に招いたりしています。そのことにより支援者も受益者も互いの顔が見え、交流が深まり、相互の結びつき、絆が強くなっています。
支援者自身がエンチャイルド奨学生と触れ合うことで、人間にとって大切なものが何かを気付かせてくれる、精神的な恩恵を受けています。関わる人たち一人一人の非常に丁寧かつ細やかで地道な取り組みが土台にあって、初めて成り立つものと評価しています。
このような取り組みや恩恵があるからこそ、次の2点目として、その持続性に注目すべきではないでしょうか。受益者に意思あるかぎり、小学生から大学卒業まで一貫して支援しています。大学生になり学びを続けている優秀なエンチャイルド奨学生たちの、純粋でひたむきにフィリピンを始めとする社会が直面する、さまざまな課題に向き合う姿を知るにつれ、思うことがあります。
彼らの将来性、これからの影響力を想像すると、もし、エンチャイルドの教育支援がなかったら、どれほどの才能や魅力が埋もれたままだったかということです。
それは小さくない社会的損失です。
まだまだ広がりは小さいかもしれませんが、受益者たちが今度は支援者となるサイクルが回り始め、エンチャイルドが掲げる自立と共立が実現される、その兆しが現れています。長期的視点に立つと永続的な価値を生み出す、極めて重要な活動をしているといえます。
これからもエンチャイルドを微力ながら応援し続けます。どんな価値がこれから生まれるのか、期待しています。」
エンチャイルド奨学生たち一人一人が、今の率直な気持ちを述べてくれました。誰もが底抜けに明るく、感謝の気持ちとともにエネルギーに満ちあふれ、語られた内容はどれも未来と社会に対する力強いメッセージばかりでした。
今回、ユニカセ・ジャパンの中村理事長がスライドに投影しながら、支援が目指す方向になぞらえて強調していたのが、「マズローの欲求5段階説」です。エンチャイルドの外舘理事長も、その重要性を日頃から説いていました。
奨学生たちは、支援を受け続けるなかで着実にこの段階を一つ一つ駆け上がっています。その様子を垣間見ることができた非常に有意義な時間でした。
これからもエンチャイルドを応援します。
9月25日(月) 荒木洋二のPRコラム
広報PRコラム#96 「情報発信」をひもとく(11)