Weekly Digest 先週の記事まとめ

6日、日本経済新聞の記事が目にとまりました。見出しに「パーパス経営」とあったからです。
約1年前から月2回、プレスリリースを作成するための勉強会を開催してきました。水曜日の13〜17時まで4時間。延べ200人、主に「一人広報担当者」が参加しています。この勉強会では毎回、文章表現についても言及しています。特に、むやみに外来語を使わないよう、口酸っぱく伝えています。つまりカタカナ・ビジネス用語を安易に使ってはならない、ということです。報道機関も同様の基準があります。

にもかかわらず、見出しに「パーパス経営」とカタカナ・ビジネス用語が踊っていたので、驚きました。同記事は金融機関にパーパス経営が広がっている、という内容でした。パーパスとは目的、存在意義という意味です。存在意義とは、なぜ、わが社は存在するのか、という根源的な問いです。近年はブランディングと結びついて、パーパス・ブランディングという言葉が企業社会では流行しています。
気になって、日本経済新聞電子版で「パーパス」と検索しました。一番古い記事は2019年2月28日、ユニリーバの取り組みに関する記事でした。この記事ではブランド(商品群)の文脈で使われていました。海外の経営者などが「パーパスが重要」「パーパスと利益の両立」などと語っている記事もいくつか見受けられました。ただ、日本語で訳せば、「存在意義」なのですから、この部分だけカタカナ・ビジネス用語として残すことには違和感があります。2020年のコロナ禍以降の記事では、特に株主資本主義、金融資本主義の限界という文脈で登場することが多いようです。新しい、カタカナ・ビジネス用語を使った方が注目を浴びやすいから、報道機関はあえて使っているのでしょう。

企業は社会を構成する主体です。社会の一員として、価値を生み出すことで存在が認容されます。価値を生み出せなくなれば、存続できません。存続とは存在価値の継続です。存在意義と存在価値は対となる言葉です。経営理念とは、企業の存在理由や存在意義を明らかにするものです。企業経営にとって、目的や存在意義が重要であることはいうまでもありません。自明のことであり、時代や環境が変わったとしても揺らいではならない原点です。
前述した6日の記事では、金融機関のトップがパーパスを強調しているとしていました。はたして経営者が社員たちに日本語でなく、あえてカタカナ・ビジネス用語を使うことに何の意味があるのでしょうか。欧米からの「流行語」に踊らされているだけではないのか、経営者も社員も自問自答すべきです。

先週、NewsRoomに投稿した記事をまとめてご紹介します。


11月29日(月) 荒木洋二のPRコラム
広報PRコラム#55 SECIモデル体験(1)


11月30日(火) KOHOgene News
【定期・無料】「広報媒体作成のワークショップ(3種類)」「個別相談」のご案内


12月1日(水) 荒木洋二のPRコラム
聴くコラム SECIモデル体験(1)


12月3日(金) 図解と文字で学ぶ! 超解説「広報人 eラーニング」
中級講座 Ⅰ.理論・基礎知識 戦略設計と活動計画 広報戦略を設計する


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